矢切ねぎの旬は?
と聞かれますと、私はすぐに
「1月2月」
と答えています。
近ごろは“早世(わせ)を先取りするのがお洒落”なようなところがあって、
矢切ねぎも市場には11月くらいから一気に出回ります。
言うまでもなく、
私たちカネキ近藤農園も、それらの需要に応えるべく、
矢切ねぎを供給しています。
その一方で、
江戸時代前期の俳人・松尾芭蕉(まつおばしょう)の句として
よく知られている
「ねぎ白く 洗ひたてたる さむさ哉」
と詠まれたように、
「ねぎ」は真冬の季語とされています。
矢切ねぎは寒さ(霜)にあたるごとに食べごろを迎え。
とりわけ、年明けの1月中旬から2月中旬にかけては、
矢切ねぎの葉(白い部分)を意識してみると
粘度の高い小さな露が噴いているのが見受けられます。
この箇所は、光合成で生産された貯蔵養分「蔗糖(しょとう)」で、
このあふれ落ちる蜜は、よくよく太陽の光を受け取り、
精力的に光合成した証拠。
このような蔗糖が溢れ出す時期が「矢切ねぎの旬」で絶品となる裏づけです。
月ごとの傾向をさらっと言えば、
11月下旬 引き締まった食感
12月 青葉もあり、霜にあたってだんだんと糖度が出る時期
1月〜2月 葉っぱがしぼみ、甘味と粘性が増加する頃合い
ことに1月中旬から2月中旬くらいまでの厳寒期の矢切ねぎは、
表側に粘液が出て風味が詰まり深い味わいになっていくのです
矢切ねぎの旬は1月から2月ということで・・・
当然11月12月3月の矢切ねぎも乙な味と付け加えさせていただきます。